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ss唯梓【toast under-north lake.】

  • Posted by: 拳骨
  • 2010-09-01 Wed 18:21:48
  • ss
久しぶりの更新になってしまいました。。
個人的に、大切にしたい回だったもので、妙に時間が掛かってしまいました。
【track downers ..】の続きです。
いまちょっと時間がないもので取り急ぎ、ss更新します。
コメレスにはまたあとで馳せ参じたいと思います。

引き続き、パラレルな百合です。

注意の上、どうぞ!









______________________________【toast under-north lake.】


-06-

出撃の前日は、出撃時刻の1時間前まで自由な時間が与えられる。
家族に会いに行く者、友人と過ごす者、戦いに備えて寝る者。
皆が思い思いの時間を過ごしている。
唯もこれまでは憂と共にこの時間を過ごしてきた。
のんびりと朝食を食べ終えてから、部屋で一寝入りしている間に
憂がいつもよりも豪華なお昼ご飯を作っていてくれるのだ。
そうして穏やかな一日を過ごし、唯は戦場へと向かっていた。
 
朝食を食べ終えて部屋へと戻ってきた唯は鏡台の前に座り、ぴょこんと跳ねた寝癖と格闘していた。
こんな寝癖くらいで梓は唯のことを嫌いになったりしないだろうという自信はある。
それでも、梓に会うのだから出来る限り、格好良くしておきたいと唯は思う。
それに何かをしていなければ、どうにも気持ちがふわふわと浮き立って仕方がなかった。
先程から、ちらちらと時計を見ては何時に部屋を出ようかと思考を廻らせていた。
 
まだ、早いよ、ね?
時間の約束もしておくべきだったかと唯は溜め息を吐く。
でも、こんなに気になるなら、もう、行けばいいか。
ベッドに腰掛けて、靴紐を結ぶ。
待つのは得意だし。
結んだ靴紐を指で弾いて床を蹴るようにベッドから立ち上がる。
よしっ!と気合を入れると同時に部屋の扉が叩かれて唯は視線を扉へ向けた。
 
「おねぇちゃん?」
 
扉の向こうで憂の声がして、こんな時間に部屋に来るのは珍しいなと思いながらも、唯は扉へと向かう。
ゆっくりと扉を開くと、憂は唯の姿を見て微笑んだ。
 
「もう行くの?」
 
憂にくすくすと笑われて、唯は頬を染めて頭を掻いた。
 
「いやあ、気持ちが、ね?急いちゃって」
 
唯があははと笑うと憂も嬉しそうに笑った。
 
「これ、今日、持っていきなよ」
 
憂が持っていたバスケットを唯の前に持ち上げる。
バスケットからふんわりと良い香りが漂って、唯は嬉しそうに笑った。
心配性で世話焼きなこの妹に昨日の訓練の後少しだけ話をした。
 
可愛い子猫を見つけてね。
 
そう言って頭を掻いた唯に憂は嬉しそうに微笑んだ。
なんだか妙に胸がこそばゆくて、でも嬉しかった。
 
明日、会う約束をしていてね。
子猫みたいで可愛いんだ。
一緒にいるだけで楽しくてね。
不思議だけど幸せな気持ちになるんだよ。
でも、明後日は出撃だから。
しばらく会えなくなっちゃうのは淋しいなぁ。
 
ぽろぽろと溢れ出した唯の気持ちに憂が楽しそうに頷いてくれるのが嬉しかった。
口に出した思いは言葉で優しく包まれて、口に出す前よりもっと梓が愛しく感じられた。
 
「子猫さんの分も入れておいたからね」
 
そう言って微笑んだ憂に、唯はまた頭を掻いた。



-07-
さすがにまだ来てないか。
白詰草の上に座り込んで、横に憂から貰ったバスケットを置く。
そっと蓋を開けて覗き見ると、中には美味しそうなサンドイッチが詰まっていた。
我が妹ながら、随分と気合の入った…
唯は微笑みを零して、蓋を戻すと白詰草の上にごろりと寝そべった。
 
見上げる空は、今日も青い。
梓の頭上にも同じ色の空があって。
ずっとずっと、梓が生まれた瞬間からずっと、同じ空の下にいたのだ。
出会えて良かった、のだと唯は思う。
こんな感情は無いほうが良かったのかも知れない。
そう思いながらも無かったことになど出来ない。
何よりも、喜びが勝っている。
こんな気持ちを知る前に死んでしまわなくて良かったと思う。
いつ死んでしまうか分からない世界で、恋をしたって仕方がないと思っていた。
誰かを好きになることなんて、自分には関係のないものなのだと信じていた。
だけど、それは間違いで、出会っていなかっただけだった。
一目見た、その、瞬間に。
 
触れたい、と思った。
 
きっと今日もそう思うのだろう。
胸に手を当てて、ギュッと掴んだ。
ドクドクと脈打つ鼓動がやけに愛しく感じられた。
 
気持ちの良い風が頬を撫でて唯は目を細める。
梓はいつ来るのだろうか。
梓のことを考えるだけで頬が緩み、鼻歌が漏れる。
案外、重症だなあと唯は思う。
誰かを思うだけで笑ってしまうなんてどうかしている。
しかし、そんな自分が嫌ではなくてもうどうにかなってしまったのだと唯は思う。
どうだっていいのだ、そんなことは。
今一番大切なことは、梓がいつ来るのか、ってこと。
憂のサンドイッチが無駄にならない内に来てくれたら良いんだけど。
そんなことを思いながら、空に手を伸ばす。
梓だけだったら、良かった。
この手が触れるのが、梓だけだったら。
 
ぼんやりと手を映していた唯の視界にひょっこりと梓が入り込む。
 
「…なにしてるんですか?」
 
呆れたように呟かれた声に、唯は慌てて身体を起こす。
 
「きっ、来たならいってよ~」
 
情けない声で唯が「もー!」と唇を尖らせると梓はくすくすと笑った。
梓はやっぱり可愛くて、つられて唯も笑った。
あははと笑いながら梓を見上げる。
 
「そうだ!お昼、食べた?」
 
唯が問いかけると梓と視線がぶつかって心臓が跳ねた。
 
「え?いえ、まだです」
 
ドキドキと跳ねる心臓に気付かない振りをして、唯はバスケットへと視線を向ける。
 
「よかったあ、これ、食べよう?」
 
平静を装ってみても耳に心臓の音が響いて、バスケットの蓋を持ち上げた指が少し震えていた。
 
「わぁ!凄い!」
 
歓喜の声を上げた梓に唯がちらりと視線を送ると、梓は瞳を輝かせてバスケットの中を覗き込んでいる。
そんな梓の姿に唯の身体から少し力が抜けた。
 
「まあ、妹が作ってくれたんだけどね」

普通に声が出て良かったと思いながら唯がえへへと頭を掻くと、梓はクスクスと笑う。
 
「そんなことだろうと思いました。私も、クッキーと紅茶を持ってきました」
 
梓は鞄の中から紙袋に入ったクッキーと水筒を取り出して唯に見せる。
 
「おぉ~♪」
 
唯が歓喜の声を上げると、梓はにっこりと微笑んで付け足した。
 
「私が作った訳ではないので、味は保障しますよ」
 
目が合って、ふっと息が漏れて、それから二人で吹き出した。
けらけらと一頻り笑って、目尻を擦りながら見つめ合う。
また唯の心臓がトクンと鳴った。
 
「んしっ、じゃ、食べよっか」
 
出来る限り平常心を装って出した声は少しだけ上擦ってしまったけれど、きっと梓は気付いていない。
唯は小さく息を吐いて、バスケットの中へ手を伸ばす。
未だに跳ねる鼓動に気付かない振りをして、サンドイッチに噛み付いた。

取り留めのない会話を続けながら、憂の作ってくれたサンドイッチを平らげて、
梓が持ってきてくれたクッキーもあっという間に後ひとつ。
ひとつだけポツリと残ってしまったクッキーを唯はひょいと摘んで梓の口の前に差し出した。
 
「はい、アズサ」
 
見つめてにっこり笑うと、梓は唯の意図に気付き、頬を染めて瞳を揺らす。
 
「あーん、だよ?」
 
戸惑う梓に諭すように促すと、梓は小さく口を開けた。
その口の中に押し込むようにクッキーを放り込むと梓はもぐもぐと咀嚼する。
その姿が余りにも可愛くて唯は頬を緩ませる。
凄く、触れたくなって、その分、戸惑う。
たった一日、会わなかっただけでどう触れたらいいのか分からなくなってしまった。
好きな気持ちが大きくなりすぎて、どうしたらいいのか分からなくなってしまった。
伸ばしかけた手をギュッと握り締める。
唯が大きく息を吐いて梓を見つめると、もぐもぐと口を動かしていた梓がキョトンとした顔で唯を見つめた。
 
「…触って、いい?」
 
唯の言葉に梓は咀嚼していたクッキーを喉に詰まらせ、慌てて紅茶を流し込む。
ゲホゲホと咽ながら梓は唯を睨んだ。
 
「キッ、キス、まで、して、いまさらっ、なにを言ってるんですかっ」
 
自分の口から飛び出した言葉の恥ずかしさに気付き、梓は頬を染めて俯いた。
唯は静かに息を吸い込んでゆっくりと手を伸ばし、梓の頬に触れる。
親指でそっと頬を撫でると梓が顔を上げた。

ぶつかる視線に、眩暈がする。
 
なんで出会って、なんで好きになって、なんで触れたくて、なんで愛しいのか。
全部、どうだっていいと思った。
胸が締め付けられて、目頭が熱くなる。
泣きたくなんてないのに、泣いてしまいそうだった。
 
クッキーと紅茶の甘い香りに誘われるように、唯は梓の唇を塞いだ。

世界が止まってしまえばいいと思った。
いつか、死んでしまったとしても。
いつか、世界が終わってしまったとしても。
生死も、世界も、肉体も、精神も、全部。
全部、全部、飛び越えて。
 
そっと唇に触れてから、ギュッと梓を抱きしめた。
細い項に顔を埋めて思いっきり息を吸い込む。
 
「…なに、してるんですか?」
 
唯の吐息がくすぐったいのか梓が小さく身を捩る。
 
「アズサの匂いを忘れないように、たくさん吸い込んでんの」
 
その言葉に梓は腕で唯の身体を押す。
 
「なっ、また、恥ずかしいことを!」
 
じたばたと腕の中で暴れる梓が離れてしまわないように、回した腕に力を込めた。
それでも腕の中から逃れようとする梓を押さえ込むように体重をかける。
小さな梓の身体は唯を支えきれずに後ろへと倒れてしまう。
梓に体重が掛からないように唯は咄嗟に地面に肘を付いた。

至近距離に頬を染めた梓の顔。
また心臓が暴れだして、息が詰まる。
 
「…だめ?」
 
搾り出したような声が震えていることに梓も気付いたかも知れない。
自分の顔を見ることは出来ないけれどきっと情けない顔をしていると唯は思う。
梓は真っ直ぐに唯を見つめ、小さく首を振ると顔を持ち上げて唯の唇に触れた。
暖かなその感触に唯の思考が飛んだ。
離れた唇を追いかけるように、梓の唇を塞ぐ。
 
柔らかな唇を舐め、薄く開いた口腔へ舌を滑らせる。
丁寧に歯列を辿り、熱い舌を優しく吸う。
交じり合った唾液が梓の顎を伝って落ちていった。
 
紅茶とクッキーの味がする。
震えるほど、甘い、キスの味。
 
二度と梓と会えなくても。
明日、死んでしまっても。
この身体が塵になって消えたとしても。
忘れることはないだろう。

声を上げて泣いてしまいたいくらい、愛しくて。 
 
甘く切ない恋の味が唯の胸を優しく締め付けた。


______________________________【my little wish will almost come true!!】へ続く...




[あとがき]
いよいよ次で最終話です!
なんとか、、ここまでこれて良かった…。(遠い目
パラレルはこりごりってか、長くなる話は難しいですねぇ。
そして、また若干更新空くかも知れません。。。仕事が…ですね…。。。
9月半ばくらいまでには、なんとかしたいなあと思ってはいますが!
お待たせしすぎて、誰にも読んでもらえなかったらどうしよう、か、と、思いつつ。。。
まあ、自己マンサイトですからね。
いいんですけどね!笑

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