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ss唯梓【Do you believe magic?】

  • Posted by: 拳骨
  • 2010-05-08 Sat 10:36:42
  • ss
 
good bye,my good fellow.から一週間後のお話です。
うーん。
一人称の方が読みやすいのかなあと思案中。
私が書くとどうしても一人称ぽい三人称になってしまうと言う。。。

そのうち一人称にもチャレンジしてみようと思います…。
今回もまた百合百合なお話になってますのでご注意を。




梓は悩んでいる。

悩んでいる、と言うよりは、呆れていると言った風だろうか。

部活を終えて家に帰り、ギターの練習をしようと
ギターケースを開けると、バラバラと飴が落ちてきた。
呆気にとられながらも、床に落ちた飴を広い集め、机の上に置いていく。
こんな事をする人は梓の周りには一人しかいない。

机の上に広げられた飴を指で転がしながら、梓は深いため息を吐く。


「私のこと、好きになったらいいよ」


唯にそんな風に言われてから一週間。
唯が何を考えているのか、梓にはなんとなくわかっていた。

この一週間の唯の行動が、非常にわかりやすいものだったからだ。
放課後に梓が部室のドアを開けると必ず、唯がどや顔でギターの練習をしているのだ。
ちらちらと梓へ視線を向けながらではあったが、
梓としては唯が練習に励んでくれるのは喜ばしい事だったので、
そのまま放置していた。

それに、女の子が「好きになっちゃいますよ」なんて言葉を言う場合、
もう、それは相手の事を好きになっている時だけだと、梓は思うのだ。
そんなことくらいは唯に気付いて欲しかった。
それが女心というものだ。

しかし唯はそんな風には思っていないようで、
梓に好きになってもらえるようにと一生懸命になっている。

そして一生懸命ギターの練習をしてみたものの、梓の反応が今ひとつであった為に
ギターケースに飴を詰めると言う訳の分からない行動に出たのだろう。

確かに唯は思ったことを真っ直ぐ伝えられる人で、
だから、わからないんだろう、と梓は思う。

ちゃんと、気持ち、伝えた方がいいんだろうなあ。
出来れば察してもらいたかったけど。

よし、と心の中で気合を入れて、指で転がしていた飴を口の中に放り込む。

「甘い」

口の中でコロコロと飴を転がしながら、梓は小さく呟いた。







「よーし!んじゃ、そろそろ帰るか!」

律の声と共に、楽器を片付け始めると、紬が小さく声を上げる。

「あら、雨」

梓が窓の外を見ると、降りだした雨粒がポツポツと窓ガラスに雫をつけていく。

「えー!わたし、傘持ってきてないよー」

やばいーと慌てふためく唯に、人差し指を振りながら律が言う。

「駄目だなあ、唯は。天気予報も見てないのかー?」

「律だって、私が言わなきゃ持ってこなかっただろうが!」

「てへ☆」

夫婦漫才のような律と澪の掛け合いに梓は乾いた笑いを漏らす。

「仕方ないですね、私の傘に入れてあげますよ」

ため息まじりに梓が言うと、唯は顔を輝かせて梓に抱きついた。

「ありがとう!あずにゃん、大好き!」

突然抱きつかれた梓が頬を染めて言葉を詰まらせていると、呆れたように律が言う。

「ほら、いちゃいちゃしてないで帰るぞー」

「い、いちゃいちゃなんてしてませんよ!」

唯を押し剥がしながら梓が言うと、唯は不服そうに唇を尖らせた。

「うふふ、そうね、帰りましょう♪」

やけに嬉しそうに笑う紬に背を押され、梓は音楽室を後にした。

昇降口で空を見上げると、どんよりとした雨雲が空を覆いきっている。
梓が傘を広げると、唯は当たり前のように梓の手から傘を抜き取った。

唯は常に梓に優しい。
いつもいつも優しくしてくれる。
しかし、この優しい先輩は誰に対しても優しくて。
それが少し悲しくて、梓は素直になれずにいる。

唯の家へと二人は歩く。
雨が強くなり、傘を叩く音が増す。

「凄いねぇ、雨。あずにゃん、ありがとねぇ」

にぱりと唯が微笑む。

「別に、良いですよ。そんなに遠い訳じゃないですから」

なんでもっと可愛く言えないんだろう、と梓は思う。
例えば、憂だったら、もっと可愛く言えたりするのだろう。
こんな風にしか言うことの出来ない自分が、梓は嫌いだった。

そんな梓の気鬱を読み取ったかのように
唯が制服のポケットから、飴を取り出して梓に渡す。

「ほい、あずにゃん、お礼にあげる」

ニコニコと笑みを零す唯に、いや、家にも山盛りにあるんですけど、
と梓は心の中で突っ込みを入れながらも、お礼を言い、その飴を口の中に放り込む。
甘ったるいイチゴの香りが口の中に広がって、梓がふっと笑みを落とすと、
同じように口の中に飴を放り込んだ唯は幸せそうにへへっと笑う。

「どうしたんですか?」

梓が問いかけると唯は頬を緩ませたまま梓を見やる。

「いやあ、相合傘!ダネ☆あずにゃん」

にへら~っと笑う唯に梓は顔を引きつらせ、少し唯から離れる。

「唯先輩、気持ち悪いです」

「えぇ~酷いよ、あずにゃ~ん」

気持ち悪いはさすがに傷つくよ~と涙目で言う唯を見て、梓は思わず噴出してしまう。
そんな梓に唯もまた笑顔を零す。
二人は、笑いあいながらゆっくりと歩を進める。
唯とこんな風に笑いあう、ふわふわとした時間が梓は好きだ。
黙っていたって気まずくならない唯の隣が好きだ。

そんなことを思いながら、梓がふと唯を見やると、
傘の端から滴り落ちる雨粒が、唯の肩を濡らしていた。

梓が濡れないようにと、少しだけ傾けられているその傘に気付いた梓は肩に掛けられた鞄をギュッと握り締める。
唯はいつも、梓が気づかないくらい、そっと。
鈍感で天然なはずなのに、梓が気づかないくらい、さりげなく。
優しくて、だから、好きだけど。

この優しさに、返せるものを梓は持ってなくて
だから、それが、悲しくて、悔しい。
だから、せめて。
唯の肩を濡らす、この雨を。
雨を降らす、この雲を。
消してしまえる、力があれば。
何にも負けない強い力が
そんな力が、自分にあったら。
良かったのに。

グルグルとそんな風に考えると、梓の足は歩みを止めてしまう。
気づかずに数歩進んだ唯が振り返ると、
俯き雨に濡れる梓に気付き、慌てて傘を差し出した。

「あずにゃん?」

不安げな顔の唯に俯いていた顔をあげて梓が言う。

「唯先輩、肩、濡れてます」

梓の言葉に少し驚いた顔をした唯は、それでもすぐに微笑みを浮かべる。

「いいんだよ、私は。あずにゃんが風邪ひいたら困る」

なんて、優しい顔をして言う唯に
梓はなんと返したらいいのか分からなくなってしまう。

「でも、私は唯先輩が濡れちゃうのは嫌なんです!」

思わず荒くなった梓の声にも唯はまだ微笑んでいる。
傘は梓に差し出されたままで、降り続ける雨がじっとりと唯を濡らしていく。

「なんで?私、馬鹿だから風邪なんてひかないよ」

えへへと笑いながら答える唯に向かって
梓は何も答えずに歩を踏み出すと、濡れた唯の肩に手を置いた。

どうしたの?と梓へ顔を傾けた唯の耳元で梓が呟く。


「好き、です」


水溜りを撥ねる車の音が遠くで聞こえる。

ポカンと呆気にとられている唯を見て、
梓はくすりと微笑むと、そっと背伸びをして
呆気にとられたままの唯の唇に、そっと自分の唇をよせた。

「傘、持って帰って、良いですから」

唯から離した唇でそう言うと、梓は踵を返して走り出した。

火照った頬を雨が冷やしてくれているようで
自分の行動が信じられなくて
それでも、緩む頬と唇に残る感触。

走ることは好きじゃないけど、走らずにはいられなかった。


走り出した梓を目で追うことさえ出来ずに唯は
傘を差し出したそのままの体勢で固まっている。

濡れていく、髪にも制服にも、冷えて悴む足にも気づけそうにない。
頭の中は真っ白で何も考えられない。


雨の音がする。
雨の匂いがする。


耳元で囁かれた梓の声が頭に響く。
唇に微かに残る、イチゴの香り。


雨の音がして、
雨の匂いがする。
水溜りを撥ねる車の音が遠くでもう一度聞こえて

「ん?」

唯の口から音が漏れる。
自分の口から零れた一文字が唯の思考を甦らせる。


唯の手から傘が落ちる。
淡いピンク色の傘が落ちる。

傘が地面に触れるより早く、唯は走りだした。


I believe magic!!






[あとがき]
もう、振り返りたくもないので、どんどんと進みます!!泣
次は、走り出した唯の一人称っぽい三人称で書いてます。
来週中には更新できると思います。

また、読んでいただけたら嬉しいです。



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