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ss唯梓【Spring squeeze soup in blue!! 】

  • Posted by: 拳骨
  • 2010-05-11 Tue 16:56:58
  • ss
案外、早く書きあがりました。

前回の【Do you believe magic?】の続き、というか、唯視点、と言うか。
短い補足的な話になるはずが、結構、長くなってしまいました。 笑

当たり前のように百合的なお話ですので苦手な方はスルーでお願いします。










-------------------------------------------------------------------------【Spring squeeze soup in blue!! 】


唯は走る。
心臓がドクドクと脈打っている。
身体が熱い。

頭の中に思い浮かぶのは梓のことばかりだった。


初めて見たときに、可愛い子だなって思った。
ギターの音を聞いて、格好いいなって思った。
泣いているのを見て、守ってあげたいって思った。
心配してくれて、ただ、嬉しかった。
たくさん、知って。

好きだと思った。

だけど、梓の視線の先には澪がいて。
苦しくって、だから、笑った。
悲しいときには、笑顔を作った。
梓が寂しくないように、梓が笑っていられるように。
自分にできる、精一杯で。

傍にいれたらいいと思っていた。
その傍らで笑っていられたら、それで。


寂しがっているんじゃないか。
そんな気がして進路指導の順番を無理矢理、早い順番に変えてもらって音楽室に行った。
音楽室の扉を開けると、そこに梓はいなかった。
今日は、来ないのかも知れないな、と思いながらも帰る気になれずに
机に突っ伏して梓を待っていた唯はいつの間にか眠りに落ちてしまった。

唯の髪に誰かが触れて、その柔らかい感触に唯の意識が波のように揺れて。
消え入りそうなほど、小さな声で。

『好きになっちゃいますよ』

聞いた瞬間に意識が覚醒して、ドクドクと心臓が跳ねた。
顔に一気に熱が集まって、顔を上げられなかった。
都合のいい夢でも見ているのかと思った唯を、心地良いメロディーが包み込んで。
初めて聞くその曲が、唯が大好きな梓のギターの音が、
これが夢ではないと告げていて、唯は身じろぐ事すら出来ずに、その曲を聞いていた。


梓の言葉がただ単純に嬉しくて、舞い上がっていた唯に紬がそっと教えてくれた、あの曲の意味。

『梓ちゃんがあの時、弾いていたのは、とめどなく溢れる愛の曲なのよ』

張り切ってギターを構えて梓を待っていた唯の耳元で囁かれた紬の言葉に。
唯はどうにも抑えきれない愛しさを感じて、次の日に梓のギターケースに飴を詰めた。
たくさん、梓が奏でた音と同じくらいのキラキラした色を。
梓に受け取って欲しかった。
梓は喜んでくれるだろうか?
いや、きっと呆れられるんだろうな。
そんな風に思いながら。


水溜りを避ける余裕すら今の唯にはなく、靴の中はもう、びしょびしょに濡れている。
頭の中を駆け巡る想いに、どうにも収集がつかなくて、胸が苦しい。
湧き上がる愛しさを、形にできないであろう自分が情けなくて、胸が苦しい。
でも、全部、苦しいのは全部、走っているからだ。
全力で、走っているせいだ。
グッと身体に力を入れて、唯は涙を堪える。
なんでか、泣きそうだった。
でも、泣いてはいけないと思った。

遠くに梓の背中を見つけて、唯は大声で叫んだ。

「あずにゃーん!!」

梓の小さな背中がビクリと揺れたのを見て、唯は更にスピードを上げる。

「あずにゃーん!!」

唯がもう一度叫ぶと、梓は足を止め、ゆっくりと振り向いた。
その間にも唯はぐんぐんと梓への距離を縮めていて、
振り向いた梓は物凄いスピードで近付いてくる唯に思わず後退さる。
抱きつくというよりはぶつかる、といった感じで二人の距離は無くなった。

弾む息を整えている唯の耳元で、不機嫌そうに梓が呟く。

「往来で、恥ずかしいあだ名を叫ばないで下さい」

梓の小さな声に唯は小さく笑いを零す。

「うん、ごめんね」

「往来で、抱きつくのもやめて下さい」

唯を引き離そうと、梓は腕を動かしたが、唯は更に強い力で梓を抱きしめる。

「往来で、キスするのはいいの?」

唯がクスクスと笑いを零すと、梓は黙りこんでしまう。

「あれ?おーい、あずにゃーん?」

てっきり、ムキになって言い返してくると思っていた唯は、何も言わない梓に拍子抜けしてしまう。
梓の顔を見ようと身体を離すと、梓は耳まで真っ赤に染めて目を伏せていた。
俯いた梓の濡れた前髪から滴り落ちる雨の雫がキラキラと光って落ちていく。
その光景に唯は思わず見惚れてしまう。

「あー、もう。かわいいなあ」

唯が小さく呟くと、梓はバッと顔を上げた。

「な、なにを…恥ずかしいことを…」

梓の目に映る唯もまた、濡れた髪の先からポタポタと雫を落とし
細められた瞳は微かに潤んでいて、梓は言いかけた言葉を飲み込んで唯に見惚れてしまう。
口を噤んでしまった梓を唯は不思議そうに見つめた。

「えっと、あずにゃん?」

唯に腕を揺さぶられ、梓は我に返る。
どうしたの?と問いかける唯に、見惚れていた、
などと言えるはずもなく、梓は視線を泳がせる。

「あれ?唯先輩、傘は?」

泳がせた梓の視線の先には何も持っていない唯の姿。

「あれ?あー!ごめん。」

自分の両手を見た唯が大げさに頭を抱えてあたふたと慌てだす。
そんな唯に、梓は呆れたような顔を作る。

「もう、仕方ないですね、行きましょう?」

そう言いながら唯の腕を掴んだ梓の手の上に、唯はそっと自分の手を重ねる。
困ったような梓の視線を無視して唯はにっこりと微笑みを落とすと 、梓の手を腕から離し、そっと握り閉めた。
梓の小さな手をギュッと握ると、梓も唯の手を小さく握り返してくれた。

そんなことが嬉しくてたまらなくて、頬が緩んで仕方が無くて、
唯がでへへと笑みを零すと梓は大きな溜め息を漏らす。

「だから。それが気持ち悪いんですよ、唯先輩。」

「だから。それが酷いってんだよ?あずにゃん。」

同時に噴出した二人は、雨なんか気にする様子もなく手を繋いで歩く。
雲の隙間から夕日が顔を覗かせて二人の影を長く伸ばした。



「あ!ほら、傘あったよ!」

安心したような声で唯が指を差す。
その先にはアスファルトの無機質なグレーの中に、ピンク色の傘がぽつりと色を落としていた。

「鞄も落ちてますね…」

そして梓の傘から少し離れた場所には唯の鞄が落ちている。

「うわぁ、ほんとだ…」

自分の肩をチラリと見て、鞄が無いことを確認した唯がガックリと項垂れる。
そして、梓は傘の方向へ、唯は鞄の方向へ向かおうと足を出し、
二人の繋がれた手がピンッと一直線に伸びた。

「唯先輩、手、離して下さい」

梓の言葉に唯はグッと言葉を詰まらせると、繋いだ手を見て呟いた。

「なんか、離しちゃうの、もったいないね」

もじもじと身体を揺らす唯に梓は呆れた顔で呟いた。

「…手ぐらい、いつでも繋ぎますから。」

言葉にしてから、梓は自分の発言の恥ずかしさに気付き、気付いたときはもう遅かった。
唯はニンマリと笑みを漏らしながら、梓に顔を近付ける。

「やくそく、ね」

すっと小指を絡ませて、跳ねるように梓から離れた唯は鞄へと向かう。
嬉しそうな唯の姿に梓は反論する気も失せてしまう。

「うわぁ、びしょびしょだよー」

間延びした声を上げた唯を背に、梓も傘を拾い上げて、バサバサと水を切る。

「私の鞄だってびしょびしょですよ」

鞄を摘み上げながら、悲しんでいる唯に近付きながら梓が言うと 、唯はちらりと梓に視線を向ける。

「うーん。まぁ、いっか。」

唯は鞄を持ち上げてにんまりと笑う。

「…いいことあったし」

指を唇にあてて悪戯な微笑みを漏らす唯に、梓はまた顔を真っ赤に染める。

「えっへへ~、あずにゃんの唇、やぁらかかったなあ」

「もうっ、良いです。唯先輩なんて知りません」

ぷくりと頬を膨らませ、くるりと踵を反した梓の腕を唯は慌てて掴んだ。


「あーずにゃん」

「なんですか、もう」

「ずーっと、一緒にいようね?」

「…ずっとってどれくらいですか?」

「ずっと、って言ったらアレだよ、来世、までとか、かな?」

「質問に質問で反さないで下さい」

「んー、じゃあ、沢山デートしようね!」

「…どうしましょうかね?」

「デズニーラソド、とか行きたいね!」

「…どうしましょうかね?」

「うー、あずにゃん」

「…なんですか?」

「わたしと、付き合ってくれる?」

「……いいですけど」

「…へへ」


歩き出した二人が自然に繋いだ手と手。
自然に絡んだ指と指。

離したくないと思った。
だからギュッと握った。


ずっと梓を幸せにできる自信なんて持てずにいて。
でも今は、梓となら幸せになれる自信があった。
根拠のない自信ですね、と梓には呆れられてしまいそうだけど。

繋いだ手の感触を、ずっと忘れずにいたいと唯は思った。


I knew spring squeezing the blue!!





[あとがき]
途中でなんだか、色々とおかしなことになってますが、見なかったことにしてやって下さい。
やけに会話が少なくなってしまったので、最後は会話のみにしてみました。
めんどくさかった、訳で、はありません。
二人の表情や仕草は、会話から読み取ってください….。殴

次は、梓が風邪をひくようなお話を書いています。
ありがちな展開です。笑
今週の終わりくらいまでには更新できると思います。


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